Quantcast
Channel: 宇都宮餃子連
Viewing all articles
Browse latest Browse all 126

「悪名は無名に勝る」のか ―宇都宮餃子VS浜松餃子(4年間の検証)―3 浜松市の「餃子消費量アンケート」のからくり ④ 「日本一」捏造のための項目分割

$
0
0
「悪名は無名に勝る」のか ―宇都宮餃子VS浜松餃子(4年間の検証)―
  3 浜松市の「餃子消費量アンケート」のからくり 
      ④ 「日本一」捏造のための項目分割
 
浜松市の「餃子消費量アンケート」では、総務省の家計調査の「外食・中華食」にカウントされるべき項目を、なぜか二つに分割している。「①お持ち帰り餃子・餃子専門店、餃子を出すお店などでお持ち帰り(テイクアウト)した餃子」、「②外食・餃子専門店、餃子を出すお店で食べた餃子」がそれである。
 
家計調査における宇都宮市の「ぎょうざ」購入額と、浜松市のそれを比較して、浜松市の優位を証明したいというのが、そもそもの独自調査の目的だったはずだ。そうであれば、独自調査と家計調査の項目は合致させるのが当然で、わざわざ分割する必要性はない。だが、「アンケート」ではあえて分割している。分割する理由が、浜松市にはあったのだろう。
 
「餃子消費量アンケート調査結果」では、調査した4項目の結果を発表しているが、それとは別に「家計調査 ①+③」なる項目が付け加えられている。そして、<参考:宇都宮市>として、「1世帯あたりの年間の餃子に支出する金額(総務省:家計調査年報より)・平成16年 4,320円・平成17年 4,710円」と添えてある。つまり、浜松市の独自調査の①と③の金額を合算したものが、家計調査に言う「1世帯あたりの年間の餃子に支出する金額」と対応していると主張しているわけだ。この主張が間違いであることはすでに述べてきたとおりである。また、これが間違いであることは、浜松市と浜松餃子学会も知っていたはずであることも指摘してきた。それでも、あえて項目を分け、家計調査の基準と異なる金額を提示するには、浜松市の計算が働いていると見るべきだろう。
 
家計調査の「ぎょうざ」の項目に該当するのは、浜松市のアンケートでは「③生餃子・焼餃子・スーパーや餃子販売店などで売っている冷凍以外の餃子」の項目である。宇都宮市との比較であれば、この③の項目の金額で比較すればよい。だが、浜松市と浜松餃子学会は、その金額では、浜松市が日本一であると宣言する根拠として弱いであろうと予測したのではないだろうか。事実、③の金額は6,756円で、家計調査の宇都宮市の金額(平成16年 4,320円・平成17年 4,710円)より上回ったとはいえ、決定的な差とは言い難い結果だった。厳密な家計調査と比較するには、アンケートと言う調査手段では信憑性がない。調査自体が異なる手法で行われる以上、少々の差では「誰が見ても明らか」とはならない。
 
「誰が見ても明らか」な差を、浜松市と浜松餃子学会は、③の項目に①を強引に合算することで作りだした。そうすることで、「浜松の一般家庭の年間消費量は、1万9千円以上。これは、宇都宮を大きく突き放すものです。凄いでしょう」(浜松餃子学会・斎藤公誉氏のブログ「ファンシーモンキー」2006.10.02 )と言える金額になったのである。 この金額はさすがに大きすぎたようで、「19,403円! ああっご、ごめんなさい!! いやぁ…余りにもの凄い数字が出てしまったので、流石の私達も一瞬我が耳を疑ってしまいました」(浜松餃子学会・古橋佳博会長)と思わず本音を漏らしてもいる。
 
異なる基準の金額の比較で浜松市の日本一を宣言した浜松市と浜松餃子学会だが、この捏造と言うべき手法は、アンケートの内容を決める時には準備されていたと考えざるを得ない。あらかじめ、質問項目を細分化しておくことではじめて①と③の合算が可能になったのであり、そうでなければ、わざわざ調査項目を家計調査と異なるように設定する理由がない。
 
イメージ 1
 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 126