中国農薬餃子が宇都宮餃子に残した影響 （６）
１． ２００７年からの「ぎょうざ」購入額の推移・全国平均
中国農薬餃子が発覚した２００８年の前年から今年３月までの家計調査の「ぎょうざ」購入額を月ごとの数字で追ってみた。全国平均の数値をみると、事件発覚直後に大きく減少し、半年後頃から回復に向かっている。２００９年には、さらに回復が進んだが、２００７年の水準には到達してはいない。速報が発表されているのは２０１０年の３月までだが、やはり回復傾向にあるようだ。ただ、２００７年を超えるもしくはその水準まで回復するか否かは微妙である。もともと、「ぎょうざ」購入額の全国平均の数値は、事件前から長期低落傾向にあり、その傾向が今でも続いているとすれば、すでに事件の影響はほとんど薄れたと考えてもよいだろう。
全国平均の推移では事件前の２００７年と、事件により大きく減少した２００８年の間に２００９年の数値が収まるという、きれいなグラフになっている。集計数が大きい全国平均では、事件の影響と、そこからの脱却がわかりやすい数値であらわれているのだろう。