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「宇都宮餃子日本一奪還運動」が敗因?(宇都宮VS浜松)

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「宇都宮餃子日本一奪還運動」が敗因?(宇都宮VS浜松)
 
「餃子日本一」の座は宇都宮が奪還するのか、それとも、浜松が死守するのかと注目を集めた総務省による「家計調査」2012年の集計結果が2月の初めにはあきらかになる。11月までの時点では浜松が387円リードで優位な情勢だ。この11か月宇都宮と浜松は猛烈なデットヒートを繰り広げた。1~6月の上半期で400円差をつけられた宇都宮が、7,8月の二ヶイメージ 1月で172円差まで追い上げ、この勢いで逆転を狙った。11月には宇都宮餃子祭りもあり、宇都宮市民へのアッピールも強化されたのだが、結果は期待を裏切り、9~10月にかけて、逆に差を広げられてしまった。宇都宮餃子会をはじめとする関係者にしてみれば「どうして?」という状況だが、実はその「日本一奪還運動」こそが、その原因ともいえる。
 
宇都宮と浜松が争っている「日本一」は、総務省の家計調査における「ぎょうざ」の購入金額である。ところが、この項目は餃子に消費される金額のごく一部分でしかない。餃子店などでの消費金額は、家計調査では「外食費」に分類される。たとえテイクアウトして家庭に持ち帰って食べても、「外食費」なのである。同じように、冷凍食品の餃子は「冷凍食品」の項目に、自家製の餃子を作る場合は、材料毎にそれぞれの項目に集計される。「ぎょうざ」は、スーパーや惣菜店などで購入した調理済みの餃子の金額しか該当しない。だから、餃子店などの「餃子」の購入(支出)額と、「ぎょうざ」のそれは競合関係にある。「餃子」を販売する宇都宮餃子会などが、「ぎょうざ」の購入を推進すること自体に矛盾がある。その矛盾を承知の上で、あえて「ぎょうざ」の購入推進を呼びかけたのだろうが、それを受けとめる側、つまり消費者が「ぎょうざ」を選ぶかイメージ 2「餃子」を選ぶかは微妙である。「宇都宮餃子日本一奪還」のため、「ぎょうざ」を食べようとアッピールしても、それが、スーパーなどの惣菜としての餃子だと理解できる消費者がどれだけいるのだろうか。もちろん説明はされているが、きちんと浸透しているとは思えない。「為すべきことは、ただひとつ。食って、食って、食いまくれ!」と、この運動のキャラクターである宮の天狗様が檄をとばせばとばすほど、受け取る側の意識は宇都宮餃子にいってしまう。
 
宇都宮の市民にとって、宇都宮餃子はごくごく身近な存在である。住んでいるところの近くには必ず餃子店がある。購入する利便性は、スーパーなどでのそれに引けをとらない。値段だって、差は少ない。宇都宮餃子は安いのも翌朝のひとつなのだから。加えて、味の問題がある。スーパーなどの「ぎょうざ」と、餃子店の「餃子」では、これはもう格段の開きがある。「ぎょうざ」購入を呼びかけても、効果は期待しにくい、それどころか、逆効果さえありうる原因がここにある。そうでなければ、餃子祭りが開催され、「日本一奪還運動」が熱を帯びていた時期(8~11月)に、「ぎょうざ」の購入額が伸びず、むしろ減少したことを理解できないだろう。「ぎょうざ」の消費推進が、逆に消費減少になる、皮肉な話だが、これもまた宇都宮が日本一の餃子の町であればこそである。

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